素材の旨みを引出す製法

登り窯で焚くまろやかさ

虎ケ崎で採取された海水は、15km離れた萩市三見の釜場に運ばれます。そして鉄製平釜に海水を入れ、古木材で約40時間沸騰させて、塩の結晶ができ上がるのを待ちます。登り窯は遠赤外線効果で、まろやかな塩を作るのに役立ちます。

薪をくべるとパチパチ炎の跳ねる音が聞こえ、煙突からは煙がモクモク上がります。このような風景は、昔どこかでおじいちゃんが炭焼きをしていた姿とよく似ています。自然の中に包まれている感覚でゆっくりと時間が過ぎていきます。効率を求めず、豊かな味わいを求めています。
登り窯の遠赤外線効果でまろやかさが増す

登り窯に古木材をくべる登り窯の上に立って作業する

純粋な結晶を取る

まろやかな「良い塩」を作るためにおろそかにできない作業があります。それは、海水中の不純物を取り除く作業です。この作業は釜焚き中に1時間毎に行います。この作業を怠ると、塩の味を阻害する硫酸カルシウム(CaSO4)や残渣(ざんさ)が残ってしまうからです。
「良い塩」は空気や水の組成などと同じように自然の摂理に基づく多種類の元素を含んでいます。

近年、減塩への関心が高まってきた背景には、塩化ナトリウムだけの人工的な化学塩を長年摂り続けてきた結果なのかもしれません。塩には身体に「良い塩」と「悪い塩」があることも知っておきましょう。
海水を最初から最後まで平釜で煮詰める「釜焚き海塩」は、栄養塩類が自然界のバランスのまま含まれていることと、40時間以上長時間木材で焚くと遠赤外線効果でまろやかになり、味覚的にも特に優れた「良い塩」と言うことができます。
塩の味を阻害する残渣を取り除く、だから美味しい

結晶となった塩を慎重に集める1トンの海水から塩は20kg

にがりは貴重な副産物

塩の結晶は、にがりを含んでいます。樽桶に入れて1日置くと、下に残った塩が「萩の塩」です。
にがりは一般的に、ごじる(豆乳)から豆腐を作るときに凝固剤として使われます。しかし、それだけではなく、お米に大匙一杯入れて炊くと艶がで新米のような感じになります。また、肉や野菜を煮るときに適量入れると肉や野菜が柔らかくなります。
お風呂に入れると、温泉感覚で湯につかり、マグネシウム鉱泉と同じような効果が期待できます。あせもなどを海水に浸すのはにがり効果なのです。

一日置いて塩とにがりを分離